ミラノと現代音楽

ミラノで過ごし始めて一番驚いたのは思っていたよりもずっと現代音楽が盛んだったことだ。ミラノではDivertimento EnsembleやMIDI Ensembleといった現代音楽アンサンブルが盛んにマスタークラスや演奏会、コンクールを計画しているし、毎年10月には2ヶ月間にわたって’MILANO MUSICA’という大規模な現代音楽祭が開催されている。特に決して現代音楽の中心地ではないイタリアであってもアンサンブル団体がこれほど幅広く活動を行なっている、もしくは行えるということは重要な点に思う。また、普通のオーケストラコンサートでも(アダムズやペルトのような擬似的な調性構造を用いた作品が多いが)同時代の作品を比較的演奏しておりドイツの各地方都市レベルには現代音楽が根付いている印象。

クルターク、デュサパン、ストラヴィンスキーであってもスカラ座のチラシは古めかしい

個人的に嬉しかったのが先日のスカラ座でのクルターク、デュサパン、ストラヴィンスキーのコンサートで、オペラ公演でもないのに立ち見席まで超満員、どう見ても現代音楽ファンではない家族連れやカップル達が身を乗り出しながら楽しんでいる姿で、まず日本ではあり得ない光景だ。もっとも、それはスカラ座だったからと言えるのかもしれない。スカラ座というのは本当にミラネーゼの誇りであり、教養の場であり、そこで聴く以上の何かを得る場所なのだと感じる。

終演後のスカラ座

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