楽しい夏休み VOL.2
コロナ禍で各大学はどのように学ぶ場を維持するか対応に追われている。僕が受け持つ授業もオンラインのみで実施したり、対面とオンラインを混合にして実施したりと方式は様々だ。特にオンライン授業だと、(画面越しに反応は見えるものの)実質ほとんど部屋で1人でブツブツ喋るだけなので色々な意味で不安があった。なので夏休みに演奏会等で偶然幾人かの学生と遭遇できたのは単純に嬉しかったし、話す中で僕の授業を学生がどう捉え、どう理解しているのかを探る事が出来て勉強になった。後期も試行錯誤していきたい。
8、9月には作曲指導をしている2人の学生の作品初演があった。2人は僕にとって初めての弟子になるわけだけれど、特に言わなくても毎週熱心に作品を持ってきてくれる真面目な生徒達。バルトークやエネスクが「作曲は教える事が出来ない」と言ったのは正しくて、結局教員が出来ることは成功した数あるモデルを紹介し、そして(学生のうちは)とにかく書かせることだけだと思う。その意味でとても良い生徒を持った。
・8/26
幸運な事にサントリーホールのワークショップに生徒の1人が選出された。彼は学部2年と若い事もあり、レッスンでも与えた情報を毎回スポンジのように貪欲に吸収している。今回演奏された楽曲はクラリネットソロ曲。楽器奏法や時間軸含めて昨年よりもかなり音楽が成熟していたのはもちろん、懐の深い余裕のある音使いに驚かされた。演奏後、世界的な作曲家・指揮者であるM. ピンチャーから、
「君の音楽にはシンプルさへの強い信頼がある」
と作品を評されていたが、正にその通りで彼の音楽の美点だと僕も感じる。その言葉が彼にとって一つ自信に繋がったようで嬉しかった。この調子で挑戦を続け、良い経験を積んでいってほしい。
8、9月には作曲指導をしている2人の学生の作品初演があった。2人は僕にとって初めての弟子になるわけだけれど、特に言わなくても毎週熱心に作品を持ってきてくれる真面目な生徒達。バルトークやエネスクが「作曲は教える事が出来ない」と言ったのは正しくて、結局教員が出来ることは成功した数あるモデルを紹介し、そして(学生のうちは)とにかく書かせることだけだと思う。その意味でとても良い生徒を持った。
@サントリーホール
・8/26
幸運な事にサントリーホールのワークショップに生徒の1人が選出された。彼は学部2年と若い事もあり、レッスンでも与えた情報を毎回スポンジのように貪欲に吸収している。今回演奏された楽曲はクラリネットソロ曲。楽器奏法や時間軸含めて昨年よりもかなり音楽が成熟していたのはもちろん、懐の深い余裕のある音使いに驚かされた。演奏後、世界的な作曲家・指揮者であるM. ピンチャーから、
「君の音楽にはシンプルさへの強い信頼がある」
と作品を評されていたが、正にその通りで彼の音楽の美点だと僕も感じる。その言葉が彼にとって一つ自信に繋がったようで嬉しかった。この調子で挑戦を続け、良い経験を積んでいってほしい。
藝祭のお洒落なチラシ。
・9/5
今年も昨年に引き続き「藝祭(東京藝大の学園祭)」はオンライン開催となったが、そこで生徒の新作初演が行われた。彼は学部4年なこともあり既に確固とした世界観を持つ学生。そのためレッスンでも僕のアドバイスに対して、しっかりと自分の意見をぶつけてくれて頼もしい。新作は朗読とアンサンブルの作品で、彼の持つクリアで繊細なファンタジー性がいかんなく発揮された良い作品だった。若い演奏家グループのための作品だったが、彼らの音楽に対する自由な発想力と相まって僕が居た頃の藝大とは一味違った傾向が見られて面白い。日本で作曲家が楽譜を音にする機会は年々減り続けている。ましてやコロナ禍、コロナ後ではそうした傾向は加速するだろう。それだけに今回の初演を彼にとって価値あるきっかけにしてほしいと思う。
ちょっと前までは自分が座っていたであろう場所に弟子が居て、2人共に立派にやりきっている姿を見るとなんとも言えない感慨深さがある。こうやって時は、時代は移ろっていくのかな。作曲を続ける事でこれまで沢山の感情を経験してきたけれど、まだまだ知らない感情を音楽は教えてくれそうだ。
今年も昨年に引き続き「藝祭(東京藝大の学園祭)」はオンライン開催となったが、そこで生徒の新作初演が行われた。彼は学部4年なこともあり既に確固とした世界観を持つ学生。そのためレッスンでも僕のアドバイスに対して、しっかりと自分の意見をぶつけてくれて頼もしい。新作は朗読とアンサンブルの作品で、彼の持つクリアで繊細なファンタジー性がいかんなく発揮された良い作品だった。若い演奏家グループのための作品だったが、彼らの音楽に対する自由な発想力と相まって僕が居た頃の藝大とは一味違った傾向が見られて面白い。日本で作曲家が楽譜を音にする機会は年々減り続けている。ましてやコロナ禍、コロナ後ではそうした傾向は加速するだろう。それだけに今回の初演を彼にとって価値あるきっかけにしてほしいと思う。
ちょっと前までは自分が座っていたであろう場所に弟子が居て、2人共に立派にやりきっている姿を見るとなんとも言えない感慨深さがある。こうやって時は、時代は移ろっていくのかな。作曲を続ける事でこれまで沢山の感情を経験してきたけれど、まだまだ知らない感情を音楽は教えてくれそうだ。
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